棒針編みの作品例【難易度別】初心者さんは何から編む?
編み物に興味はあるけど、何からどうやってよいのか分からない。
とりあえず、編んでみるにも何が自分に編めるのか分からない。
そんな編み物に対しての不安がいっぱいな方へ、ひとつひとつお話を進めていきたいと思います。
目次
1.棒針編でなにが編めるの?
2、難易度別 作品例
①エコたわし・コースター・カップホルダー・鍋敷きなど(小物作品)
②マフラー・スヌード(真っ直ぐ編むだけ)・ミニケープなど
③帽子・ケープ・ハンドウオーマー・レッグウォーマー(輪に編む小物)
④ベスト
⑤セーター・カーディガン
⑥靴下や手袋
3.編んでみたい作品の難易度が高かったら?
1.棒針編みで何が編めるの?
棒針編みは、棒を2本の棒を両手に持って、ちょこちょこっと針先の手を動かしながら、様々な作品を編むことができるのです。棒針編みの作品には、比較的身に着ける作品が多いですが、特に決まりはありません。※棒は4本・5本・輪針を使うこともあります。
マフラー・帽子・靴下・手袋・バック・ベスト・セーター・ジャケット・コート・ワンピース・カーディガン
クッションカバー・ブランケット・バッグ・巾着・ポーチ・湯たんぽカバー などなど
糸の素材や形や大きさを変えることによって、1本の毛糸から何でも編むことができます。
編み物をやってみたいと思ったら・・・・まずは、編みたい物をイメージしてみましょう。
せっかく自分で編むのだから、実際に自分で身に着ける物を編んだり、赤ちゃんやお子様やお友達にプレゼントできる物を編めたとしたら嬉しいですよね。
ここでは、難しそうだからとか、時間がかかりそうだからとか、余り深く考えずに、素直に「編みたい物」をイメージしてみてくださいね。
さて、あなたの「編んでみたい物」は、何でしたか?
帽子?手袋?赤ちゃんのベスト?
「編みたい物」が決まっても、果たして、それは現実的に今の私に編めるのかしら?そんな疑問は沸いてきませんか?
そこで、今回は、編み物の技術と編む面積の広さなどを踏まえて、編み物経験ゼロのからの棒針編みの初心者さんが、どんなステップで進めばスムーズにレベルアップした作品に進めるのかをご提案してみたいと思います。
2.編み物レベル「ステップ別」作品例
編み物は、「技法・形・大きさ・糸の太さ・模様の複雑さ」を総合的に考える必要があるので、一言で「簡単・難しい」と分けることは困難です。人によっても、難しく感じるポイントは違います。比較的簡単だと思う事が、違う人にとっては、難しく感じたりすることもよくあります。
ステップの数字が小さいほうから大きいほうへ進むのほうが、スムーズに編み物の世界を楽しむことができると思います。
さっそく、ステップごとに、作品例と編み物に必要な技術、道具種類などの説明です。
難易度は①→⑥と上がります。
①エコたわし・コースター・カップホルダー・鍋敷きなど(小物作品)
編み物経験ゼロからのスタートでは、練習をかねて「エコたわし」を編んでみるのはいかがでしょうか?
棒針と毛糸があれば、今すぐにでも編み始めることができます。(※仕上げにとじ針が必要)
多少うまくいかなくても、どんどん編んで、どんどんお掃除に使って欲しいと思います。
最初からキレイに編めなくても大丈夫。繰り返すほど綺麗に早く編めるようになりますよ。
【参考作品:アクリルたわし】
・使用糸:アクリル毛糸
・使用棒針:2本針 8号
・棒針編みの技法:「作り目」「表編み」「裏編み」
「伏せ目」「糸始末」
・10㎝×10㎝くらいの小物だから毛糸1玉で数枚編むことができます。
・2本の棒針を使用して、平たく編みます。毛糸は比較的太目の糸(極太)を8~10号くらいの棒針を使用して編みます。
②マフラー・スヌード(真っ直ぐ編むだけ)・ミニケープなど
小さな小物が編めたら、少し大きな物にチャレンジできます。マフラーやスヌード(まっぐ編んで後で輪にする)などなら、ステップ1で練習した「基本」の編み方のまま編んでもよいし、「表編み」と「裏編み」の繰り返しに変化を付けるだけでも、素敵な模様の作品になります。
【参考作品:地模様のミニケープ】
・使用糸:合い太い程度の毛糸
・使用棒針:2本針 5号
・棒針編みの技法:「作り目」「表編み」「裏編み」「ボタンホール」「伏せ目」「糸始末」
●とりあえず、半日くらい(数時間)で何かを編んでみたい!という方へオススメなのは、棒針20ミリという大人の親指よりも太い棒針を使って、超極太の糸をサックリと編むのも楽しい編み体験となります。
1dAYワークショップでは、このような作品をご提案しています。(1玉で編めます)
【参考使用糸:クロバー モフモ 1玉】
【参考使用糸:DMC コクーン】
③帽子・ケープ・ハンドウオーマー・レッグウォーマー(輪に編む小物)
●マフラーやミニケープなど、真っ直ぐ編む物で編み物で作品を完成することに自信がついてきたら、筒状に編む物にもチャレンジするタイミングです。2本の棒針を使って平たく編むことかの次のステップとして、4本針(5本針)で輪に編む方法に進んでみましょう。筒状に編むことによって、表からずっと編み進むことができるので、4本針の扱いに慣れてしまえば、なわ編み(アラン模様)も夢ではありませんよ。
●注意するところは、レッグウォーマーやハンドウオーマーは同じサイズで2個(両足又は両手分)編む必要があるので、同じ手加減で、編み進める技術が必要となります。
【参考作品:レッグウオーマー】
・使用糸:合い太い程度の毛糸
・使用棒針:4本針 5号
・棒針編みの技法:「作り目」「輪に編みはじめる」「表編み」「裏編み」「なわ編み」「1目ゴム編み」
・筒状に編む道具に「輪針」もあります。輪針についての説明は別のコーナーでいたします。
・なわ編み以外にも、2目ゴム編みや2目ゴム編みでシンプルなリブ編みの作品もオススメです。
・輪編みは4本の針で編むのでとても複雑そうに感じますが、慣れれば大丈夫です。編み図をひっくり返して考える必要がないので、編み込みなどの複雑な模様も、編めるようになります。
④ベスト
●ベストは、実際に着るベストを想像していただくと分かるように、生地の面積が広いので、たくさん編む必要があります。前見頃と後ろ身ごろの2枚。その分量だけで考えても時間がかかることが分かります。その分根気も必要となり、必要な毛糸の量も増えます。
ステップ3までに、コツコツ編めば必ず完成できる!という小さな成功体験を積むことによって、ベストをも挫折せずに完成できる自信が持てるのです。
●さらに、今までとは違って、ベストの肩の部分をつなぎ合わせる作業(とじ)や脇の部分を縫い合わせる作業の(はぎ)など今までとは違う、「とじ針」を使った「縫うような」作業の技術が必要になります。
●サイズが必要な物ほど、編み物のレベルは上がります。同じ糸、同じ編み方で編んでも一人一人、ふんわり編めたり、かために編めたりと手加減が違うので、手首周りなどのサイズが重要なものは、「ゲージ」という試し編みを兼ねて、手加減の様子を見て、サイズ調整をする手順が必要になります。
この「ゲージ」確認をせずに編み始めると、本や編み図の通りに編んだのに、大きくなりすぎたり、または小さくなりすぎたりすることがあるので、実際に編みはじめる前の「ゲージをとる」というひと手間が大事になります。
【参考作品:ベスト】
・使用糸:合い太い程度の毛糸
・使用棒針:2本針 5号・3号
20㎝輪針3号・40㎝輪針3号
・棒針編みの技法:「別鎖の作り目」「表編み」「裏編み」「引き上げ編み」「別鎖からの拾い目」「1目ゴム編み」「首まわり・脇の拾い目」「脇とじ」「肩はぎ」「1目ゴム編み止め」「ゲージ調整」
また、アイロンがけの作業の作業工程も増えます。
⑤セーター・カーディガン
●編み物では、編む分量が多いほど時間がかかります。セーターやカーディガンは、「ステップ4のベスト」+「両そで」を編む必要があります。「前見頃」「後ろ身ごろ」「右そで」「左そで」の4つのパーツを編むのに、毛糸で10玉~15玉くらい必よです。
●模様が複雑なほど、手間と時間がかかります。技術も必要です。
●形が複雑(カーブが多い)ほど、製図どおりに編むことが必要となり誤魔化しがききません。
●「ステプ4のベスト」のとじ・はぎ+「そで付け」の技術が必要です。
●サイズ通りに編む手加減が重要です。
【参考作品:なわ編みのセーター】
・使用糸:合い細糸
・使用棒針:2本針 5号・2号
20㎝輪針2号
・棒針編みの技法:「別鎖の作り目」「表編み」「裏編み」「なわ編み」「拾い目」「別鎖からの拾い目」「2目ゴム編み」「2目ゴム編み止め」「脇とじ」「そで付け」「ゲージ調整」「アイロン仕上げ」
●セーターやカーディガンを編むためには、たくさんの技術が必要となり、根気もいります。だからこそ、完成した時の喜びはひとしおです。
質の良い糸で手編みしたセーターは、大切に使えば一生物です。きちんと手入れをしながら長く使うと愛着も沸いてきます。
●たくさんの技法を必要としますが、きちんと習うことができる環境であれば、練習すればできるようになります。仕上げの仕方が分からずに、諦めてしまう方が多いようですが、ぜひ一度きちんと勉強なさってみると、さらに編み物の世界が広がります。
●ザックリと太い糸で、ガーター編みやメリヤス編みなど基本の編み方だけでもセーターは編めるので、セーターは絶対に初心者には編めない!のではありませんよ。どのレベルの作品も簡単に編む方法はありあます。
⑥靴下や手袋
●編み物といえば、「手袋や靴下」という方も多いのではないでしょうか?小さいものだし、早く編めそうで簡単に編めるイメージがあるかかもしれません。
●一般的なイメージの下の写真のようなデザインの靴下は、たくさんの技術が詰め込まれているので、かなりハイレベルな編み物に入ります。編んでみたいという目標をもって、ステップアップされると編めるようになります。
●細い糸で編むので、ざっくり編む物より難しく感じます。
●編み込みなど、凝った模様ほど慎重に編み進めるので大変だけどその分愉しさも増します。
【参考作品:編みこみの靴下】
・使用糸:合い細糸
・使用棒針:4本針 5号・2号
・棒針編みの技法:「作り目」「表編み」「4本針で輪に編む」「2目ゴム編み」「編み込み」「減らし目」「増し目」「すくいとじ」「ゲージ調整」「メリヤスはぎ」
●編み方やデザインよっては(1目ゴム編みなどでかかとなし)初心者さん向けの靴下もあります。
3.編みんでみたい物が「ステップ5や6」セーターやの靴下だったら?
●編み物レベルの高さは、①編む面積の大きさと、②必要とする技術多さです。
①編む面積の広さは、コツコツと編み続ける根気さえあれば、クリアすることができれば、セーターを完成させることはできます。
②技術の多さについてですが、編み物の技法は手芸の中でも難しいとされています。
●ステップ1では、「作り目」と「表目」だけできれば、編める作品でした。
ステップ6では、「減らし目」「増し目」「すくいとじ」「メリヤスはぎ」などたくさんの技術が駆使されているので、編み物レベルが高くなっています。
本をや動画を見ただけでは、分かり憎いのので、難しい技法が出てきた時には、編み物の経験者さんに教えてもらったり、編み物教室に通って、分からない所を直接習ったほうが、作品の完成には近道かもしれません。
全く編み物をしたことがない方が、セーターや靴下を編んでみたい・・・と思ったら、半年~1年かけて編む余裕を持った気持ちが大切かもしれませんね。
難しそうだからと言って、諦めることはありません。
誰しも、初めての時があります。
●「ピアノ」を習い始めた時に最初からモーツアルトの曲を楽譜通りに弾くことは、よっぽどの天才でないかぎりできませんよね。大人でも、はじめは右てから、次ぎに左手、・・・と簡単な曲からスタートし、指が自然と動いてくれるまで、繰り返し練習が必要です。基本が大事。そこを飛ばしてしまうと、楽譜が読めないままとりあえず、なんとなく弾けるけど、新しい曲は弾けないまま。レパートリーはなかなか増えません。
「編み物」も同じです。
最初から難しい物にチャレンジして、挫折するよりも、基本をきちんと練習し理解した上で、新しい編み方を練習する。
小さい物から完成させる。作品として完成させる、達成感と喜びを感じることができると、自然と次は○○を編んでみよう!と目標がすこしづつ大きくなっていきます。
そうなると、あなたはもう、編み物の世界に引き込まれてしまうでしょう。次々と編みたい物が出てきて、退屈な時間を過ごすことはないと思います。
●今知っている編み方だけ、例えばガーター編みだけでも、糸の太さ、質感や大きさ形を変えることによって、編める作品は無限に広がります。編み物が好きになることが、上手になる一番の近道だと思うので、今知っている編みからで、どんどんいろんな作品を編みながら、少しづつステップアップしながら、編み物ライフを楽しんでいただけたらと思います。